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平成27年度東日本大震災災害復興支援事業 実施報告

一般社団法人北海道環境保全協会青年部会

1.事業概要

実 施 日 平成27年10月22日(木)〜23日(金)
行 程
22日(木)
ADO104便 新千歳11:15発→仙台空港12:25着
仙台空港アクセス線→JR仙台駅15:00発→秋保温泉着
宿泊先:秋保温泉 篝火の宿「緑水亭」
      仙台市太白区秋保町湯元上原27 022-397-3333
16:00〜4団体青年部合同情報交換会 3Fコンベンションホール七夕
18:00〜 同懇親会 2F春秋の間
23日(金)
北海道・東京青年部合同 牡鹿半島大原浜地区訪問・鮎川浜地区視察
ADO111便 仙台空港18:20発→新千歳19:35着
参 加 者 北海道青年部 小堀部長・高橋前部長他10名/東京青年部 鈴木部長他23名
/山形青年部 遠藤部長他3名/宮城青年部 佐藤部長他2名
/宮城県生活環境事業協会 佐藤会長(懇親会のみ)・鈴木副会長(懇親会のみ)
・柴田事務局長・藤岡企画調整部次長 合計47名

2.事業報告

(1)東日本大震災災害支援事業 情報交換会(16:00〜17:00)

東京青年部主催事業として実施。本年で5回目となる支援事業を振り返り、当時の状況を再確認して、それぞれの地域においてどう生かしていくかをテーマに、4団体青年部によるグループディスカッションを実施。最後に、過去の支援事業で実施したボランティア作業を映像で振り返った。
(司会)東京青年部 角田副部長 (解説)同青年部 野中担当部長

1)東日本大震災から1ヶ月間の生活や仕事までの復帰(16:00〜16:15)

(有)日本清掃総業佐藤様(宮城青年部長)にご講演頂き、津波襲来時の様子と波が引いた後のご自身の対応、その後事業をいかにして復旧させていったのかを各地からの支援状況を交えてお話を頂いた。

会場内の様子

宮城 佐藤青年部長講演

2)グループディスカッション
「他県や自県で震災が起こった場合の事業継続について」(16:15〜16:50)

4団体の青年部がA〜Gの7グループに分かれて、ディスカッションを行う。

内容については以下に抜粋(グループ分けは別紙の通り)。

【当時の状況】

  • 災害発生後から作業車輌の燃料確保に奔走した。
  • 稼働可能な車輌確認と車輌が移動可能なルートを歩いて確認した。
  • 情報が錯綜していたので、とにかく情報収集が必要だった。安置所なども含めて歩いて回る。
  • 発電機等により無線機、携帯電話等を充電する電力を確保した。
  • 避難所には30〜40基の仮設トイレを設置。電気がないため、暗く、汚れも酷い状態。水の確保が難しく、維持管理が困難で被災者の望む管理が出来ない。汲み取りが出来ない状態では仮設トイレも使用も困難。
  • 避難所トイレの汲み取りを優先して行ったが、し尿処理センターも停電で受入不能となり、他市町村へ入れる際に発生した諸問題(法的な問題など)を解決する事に労力を取られる。
  • 災害発生時、従業員を無給で休ませている会社もあったが、月10万円を取りあえず支給して対応した。必要時は貸し付けも。

【現在、取り組んでいる準備】

  • 以前から結んでいた自治体との災害協定を見直す。
    また、建設業者やリース業者とも協定を結ぶ。
  • 組合、同業社間にて災害時の行動マニュアルや役割を見直し策定した。
  • 自社にて食料、水、燃料の備蓄。発電機、ラジオ、毛布等の準備。
  • し尿汲み取りは重要なライフラインであるので、災害時は緊急車両と同様に優先的に燃料の確保を自治体へ依頼。
  • 組み立て式トイレ凝固剤を準備。処理はパッカー車で回収。
  • 地域防災会を立ち上げた。緊急時のために話し合いも必要。

3)過去のボランティア事業のスライド(16:50〜17:00)

過去に実施したボランティア作業について、写真を使用して振り返り、当時の状況や作業した内容などを説明した。(解説)東京青年部 野中実務担当部長

グループディスカッションの様子

集合写真

(2)バスによる被災地視察

23日は、東京青年部と共に過去4回に渡りボランティア作業を実施した石巻市牡鹿半島大原浜地区へ訪問した。石森行政区長様がご不在のため、阿部副区長様へご挨拶をする。

大原浜地区の土地区画整備については、石巻市が各地主の承諾を得て買上、平成26年度春より造成開始、順次高台への移転を開始していた。まだ仮設住宅に住んでいる方もいるが、予てから懸案事項であった高台移転事業が本格化して、副区長も安堵の様子であった。今後は、道路の造成など土地利用の工事が進んでいく。その後鮎川地区へ移動し、石巻市仮設整備事業の一つである「おしか のれん街」を視察した。

大原浜地区 阿部副地区長様へ挨拶

大原浜地区の様子

大原浜地区にて北海道・東京集合写真

鮎川浜地区 おしかのれん街

3.本事業を終えて

平成23年より実施してきた災害支援事業は、本年を以て一つの区切りをつけることになりました。まずは、5年間に渡り本事業に参加して頂きました青年部の皆様に心から感謝を申し上げます。

 

今年の災害支援事業は、震災当時の状況を改めて見つめ直すことで各自の危機管理に対する意識を高め、今後それぞれの地域でどうこの教訓を生かしていくかを各地青年部の仲間と共にディスカッションし、その情報の共有を図りました。また、この5年間に渡り大変お世話になりました宮城県生活環境事業協会の皆様をはじめ、共にこのボランティア作業を実施してきた東京環境保全協会青年部、山形県水質保全協会青年部の仲間とさらなる親睦を図り、今後も変わらぬ友情を確認し合いました。

 

本事業は、平成23年5月に開催された保全協総会で東北支援が満場一致で決議され、高橋前青年部長が中心となり青年部が企画した事業でした。実施に当たっては、宮城の柴田事務局長様に色々と事前の調整をして頂き、同様の事業を準備していた東京環境保全協会青年部会に、北海道から9名、山形県水質保全協会から2名が合流し、合同で実施しました。

 

初年度は震災後半年で現地入りしたため、石巻市内には各所に廃棄物の仮置場があり、どこもがれきが山積みされている状態でした。道路脇には半壊した家屋も多数放置され、その周りにも津波によって押し流された廃棄物などが散乱している様子を参加者全員が目の当たりにし、改めて自然災害の恐ろしさを感じたことを思い出されます。実施した作業は、石巻市社会福祉協議会が当時運営していた災害ボランティアセンターより指示を受け、牡鹿半島大原浜地区で河川のがれき撤去作業を行いました。初めて行った支援に充実感を感じつつも、同時に、現地での正確な情報や必要とされていることが何も分からない中で現地へ赴き作業を行うこの事業の難しさもよく分かりました。

 

翌2年目もご縁を頂いた大原浜地区石森区長様のご配慮のもと建屋跡地での草刈り、3年目は、事前調査として7月に現地に入りして石森区長様並びに関係者の皆様と意見交換を交わし、その後10月に同地区へ再度訪問して三熊野神社境内での伐採と草刈り、塩釜市野々島のフラワーアイランドでの草刈りと内浜の海岸清掃を2泊3日の行程で実施しました。昨年は、再び大原浜地区へ戻り、高台にある大原浜小学校グランドの草刈りを行いました。

本事業を通じて改めて感じた事は、実質1〜2日で私たちに出来る作業は当然限られてきます。災害時における支援の対象者やそのニーズに合った支援内容を明確にする必要があると考えます。災害直後の緊急を要する安全確保や食料支援などライフライン確保のための支援なのか、それともがれき撤去や廃棄物の処理、被災者が通常の生活に戻る復旧のための支援なのか、それとも復興していくための長く時間をかけた支援なのか、その支援の位置づけをしっかりと理解した上で支援内容や支援体制等をスピーディーに検討・対応していくことが必要となってくるでしょう。逆に今後私たち自身も災害に遭うことも十分想定されます。今回の事業を通じて得た経験を道内各地域でもしっかりと反映させ、会員全員で危機管理について意識を共有していくよう、青年部としてもしっかりとサポートをしていきたいと思います。

 

最後になりますが、本事業実施に当たり、宮城県生活環境事業協会佐藤会長様、鈴木副会長様、柴田事務局長様、佐藤青年部長を始め、宮城県の関係者の皆様には大変お世話になりました。
特に柴田様には、現地での送迎、ホテルなどの各種手配、各団体間の調整、期間中の同行など、多方面に渡り大変お世話になりました。事業実施当初から「面倒を掛けて申し訳ないなどと言わないで下さい」とのお言葉を何度も頂きその度恐縮してきましたが、改めて感謝申し上げます。

そして、手探りの状態から始めたこの支援事業でしたが、「東北復興」の想いのもと、各地から集った青年部の仲間との時間も非常に有意義なものとなりました。今後もしっかりと交流を深め、震災からの復興を合い言葉に、引き続き共に活動をして参りたいと思います。

以上